2026年6月3日 · 読了 13分

【5ステップ実演】AI 2人でブログ記事1本を作る流れ|設計からレビューまで

非エンジニアの筆者が、AIを設計役と作業役に分けてブログ記事1本を作った流れを5ステップで実演します。設計、本文、レビュー、修正、装飾の順番と、人間が確認すべきポイントを安全面も含めて整理します。

【5ステップ実演】AI 2人でブログ記事1本を作る流れ|設計からレビューまで

前回の記事の最後に、こうお伝えしました。「次の記事では、この5つのステップを使って、実際に1本のブログ記事をどう設計し、本文にして、レビューしていくのかを、具体的な流れに沿って整理する予定です」。今回はその約束を果たす記事です。

題材は、前回の記事そのものです。コードを書けない私が、AIを2人の部下に分けて、1本のブログ記事をどう作ったか。その全工程を、隠さずに見せていきます。先にお伝えしておくと、AIは間違えます。最終確認は、いつも人間である私が行います。5ステップは、確認を飛ばさないための「順番」です。

この記事は、前回の「考え方」を読み終えて、「では実際に、どう動かせばよいのか」を知りたい方に向けて書きました。読み終えるころには、「順番を決めれば、自分の業務でも1本まわせる」と思ってもらえるはずです。

この記事で分かること

AI 2人で1本の記事を作るときの5ステップ(設計→本文→レビュー→修正→装飾)を、前回の記事そのものを題材に最初から最後まで見せます。読了後、あなたの仕事でも1本まわす順番がそのまま使えます。

結論|5ステップは「設計→本文→レビュー→修正→装飾」

設計・本文・レビュー・修正・装飾の5ステップを縦に並べたタスクボード風の全体図。各段の右に人型シルエット
5ステップ全体図。各ステップの右に「人の確認」が必ず入る

はじめに結論です。私が記事1本に使っている5ステップは、「設計→本文→レビュー→修正→装飾」の順番に並んでいます。それぞれを誰に頼むか、何のために行うか、人間がどこを確認するかは、次の表のとおりです。

ステップ主に頼むAI目的人間が確認すること
Step1 設計設計役(私の場合はCodex)読者・目的・構成・禁止表現を決める狙いがずれていないか
Step2 本文作業役(私の場合はClaude Code)設計に沿って初稿を書く事実と設計の整合
Step3 レビュー設計役言い過ぎ・断定・抜けを指摘する指摘の採否
Step4 修正作業役指摘を反映して整える反映漏れがないか
Step5 装飾・公開準備作業役見出し・表・図解を整える公開してよいか

表だけ見ると複雑そうに感じるかもしれません。ただ実際にやってみると、順番に並べて1つずつ進めるだけです。難しいのは、頭の中で「設計と本文と確認」を同時にやろうとすることのほうでした。

順番を崩すと往復が増える

5ステップは順番が大事です。たとえば設計を飛ばしていきなり本文を頼むと、戻ってきた文章を「これは違う」「これも違う」と直し続けることになります。設計を先に固めれば、本文の方向はぶれません。レビューと修正を逆にすれば、なぜ直したのか分からなくなります。順番が決まっていることが、AI活用を仕事にするうえで一番の安全装置でした。

今回の題材|AI Manager Labのローンチ記事をどう作ったか

この記事の題材は、前回の記事「Claude CodeとCodexを2人の部下として雇った話」です。AI Manager Labのローンチ記事として書いたもので、私の手元で一番新しい実例だからです。

なぜ前回の記事を題材にするのか

新しい題材を1本作るより、すでに公開した記事の制作過程をそのまま見せたほうが、読者の納得感が高いと考えました。「この記事自体が5ステップの成果物です」と言える題材は、私の手元には前回の記事しかありません。架空の例で説明されるより、本当に世に出た1本のほうが信用できるはずです。

完成記事と途中工程は別物

読者として記事を読むとき、私たちは仕上がった文章しか見ません。そこには「初稿はどうだったか」「レビューで何を直したか」「装飾はどこで足したか」は出てきません。今回の記事では、完成形からは見えない裏側を、隠さず順番に並べていきます。うまくいったところだけでなく、迷ったところ、戻ったところもそのまま書きます。

詳しい思想は前回の記事に

「なぜAIを役割で分けるのか」「どこまでをAIに任せ、どこからを人間が持つのか」といった考え方の部分は、すでに前回の記事で詳しく書きました。本記事ではその考え方を前提として、「実際に1本どう作るか」だけに集中します。前回の記事をまだ読んでいない方は、先にそちらを読むと文脈が深く入ります。

Step1 設計|設計役に渡した情報

最初のステップは設計です。記事の土台を作る工程で、私の場合は設計役(Codex)に頼みます。ここで時間を使うほど、後のステップがぶれません。

渡した4つの情報

設計役には、次の4つを伝えました。読者像、目的、制約、禁止表現です。短い言葉で並べるだけでも、返ってくるものの精度が変わります。私が実際に渡した内容は、次のチェックリストの形で表せます。

  • 読者像:コードを書けない経営者・管理職・個人事業主。AIは触ったことがあるが、仕事の仕組みにはなっていない
  • 目的:AI Manager Labのローンチ記事として「AIを部下として使う」考え方を伝える
  • 制約:5,000〜6,500字、見出し階層あり、表は1〜2個、図解は3点
  • 禁止表現:「絶対」「誰でも稼げる」「No.1」「完全自動化」「情報漏えいなし」など断定・誇大

このとき顧客名・社員名・契約金額・APIキーといった具体的な機密情報は、いっさい入れていません。制約として「お金や健康など、読者の生活に影響が大きいテーマに配慮する」と書くだけで、AIは適切なトーンに寄せてくれます。

返ってきた構成案の概要

設計役からは、リード+H2が10本ほどの構成案が返ってきました。「結論」「丸投げが失敗した理由」「Codexに任せていること」「Claude Codeに任せていること」「使い分けの表」「5ステップの紹介」「コツ」「やってはいけないこと」「変わったこと」「まとめ」。この骨組みを見て、「これなら自分が書いても迷わない」と思える状態にしてから、次のStep2に進みました。

設計で時間を使うほど後が楽になる

このStep1には、体感で記事全体の作業時間のうち2〜3割を使っています。後から考えると、ここで急いだ回ほど、Step4の修正で苦労していました。「設計を厚くすると、本文と修正が薄くなる」というのが、何本か作ってみての実感です。

Step2 本文|作業役にどう投げて初稿を作ったか

設計が固まったら、本文を書きます。私の場合は作業役(Claude Code)に頼みます。白紙から書き起こすより、設計役がまとめた構成案をそのまま渡したほうが、ぶれない初稿が出てきます。

設計書ごと渡す

作業役に「あとはよろしく」と曖昧に投げるのではなく、Step1で固めた設計書をそのまま渡しました。「この構成で、この読者向けに、この禁止表現を守って、5,500〜6,500字で書いてください」と一文添えるだけです。設計の中身は設計役にきっちり作らせてあるので、作業役は迷わず手を動かせます。

初稿は完璧ではなく形にする段階

戻ってきた初稿は、思ったよりきれいに形になっていました。ただし、いくつかの段落は説明不足、いくつかの表現は固すぎ、結論は強すぎる。初稿は「合格点に届かない7割」くらいの仕上がりだと思ってください。ここで完璧を求めると、作業役と長く往復することになり、かえって時間がかかります。Step2では「形ができたら次へ進む」と割り切りました。

白紙から頼むよりズレが少ない

もし設計を飛ばして作業役にいきなり頼んでいたら、初稿の方向は大きくぶれていたはずです。設計書を先に渡しておくと、作業役が「読者は誰か」「何を書いてはいけないか」を自分で考えなくてよくなります。頼む側にとっても、頼まれる側(AI)にとっても、設計があるほうが楽です。

Step3 レビュー|設計役に何を見させたか

中央の原稿シルエットに対し、必修と推奨の指摘吹き出しが配置され、下に人型シルエットとチェックマークが描かれた図
Step3レビュー指摘の例。必修と推奨を分けて返し、採否は人間が判断する

初稿ができたら、いったん作業役の手を離れます。次は設計役の出番です。設計役には「言い過ぎていないか、断定していないか、機密情報が紛れていないか、内部リンクが抜けていないか」を点検してもらいます。書き手と見る人を分けると、自分では気づけない指摘が出てきます。

レビュー観点を先に渡す

「気になったところを指摘してください」と曖昧に頼むと、ふんわりした感想が返ってきます。そうではなく、レビュー観点を先にリストで渡しました。たとえば「誇大表現がないか」「断定が強すぎないか」「内部リンクは予定どおり入っているか」「機密情報が紛れていないか」の4つ、といった具合です。観点が決まっていれば、指摘も具体的になります。

実際に出た必修指摘と推奨指摘

前回の記事では、設計役から「必修3点・推奨5点」の指摘が戻ってきました。必修は「ここを直さないと公開できない」、推奨は「直すと良くなるが、判断は人間に任せる」というイメージです。具体的には、必修として「『部下』という表現は比喩であると明示する」「メルマガフォームは準備中表示にする」など。推奨では「想定読者に管理職を追加する」「内部リンクの語り口をやわらかくする」などが挙がりました。

レビュー結果は人間が判断する

大切なのは、レビュー結果をそのまま反映しないことです。必修であっても、私の意図と違っていれば「これは採用しない」と判断します。推奨は採否がさらに分かれます。AIどうしのレビューは便利ですが、最後の判断は必ず私が握っています。AIに任せれば全部自動で回るわけではありません。順番が回るほど、人間が判断する場面はむしろ増えていきます。

Step4 修正|作業役にどう直してもらったか

レビュー結果を持って、作業役に戻ります。修正は、指摘の数だけ作業役に頼むのではなく、必修と推奨を整理してから一括で渡しました。細切れに頼むと、文章全体のバランスが崩れます。

必修指摘は必ず反映する

必修と判断した指摘は、迷わず反映します。理由は単純で、必修は「公開できる/できない」のラインに関わるからです。前回の記事では、「部下」は比喩であることを明示する一文を加え、メルマガ部分は「準備中です」のお知らせカードに差し替えました。1〜2行の差ですが、これがないと公開できないラインの差です。

推奨指摘は採否を決める

推奨は、私の判断で採否を決めます。前回の記事では、5つの推奨指摘のうち4つを採用しました。「想定読者の幅を広げる」「役割分担表の文言をやわらかくする」「次記事の予告をまとめに追加する」など。残り1つは、「5ステップを見出しに分ける」という提案で、これは「文字数オーバーになる」と判断して見送りました。採否の判断こそ、人間がやるべき仕事だと思っています。

1〜2往復で着地させる

修正の往復は、長くても1〜2回で終わるようにしています。3回目に入ったら、それは設計の方が間違っているサインです。「直し続けると良くなる」と思うと、いつまでも終わりません。2回直してまだ気になるところがあれば、設計に戻るか、思い切って次へ進むかを決めます。

Step5 装飾・公開準備|読みやすく整える

文章が固まったら、最後の仕上げです。見出しの体裁、表の枠、図解の差し込み、チェックリスト、注意ボックス。読みやすくする工夫は、すべてここで足します。装飾はあくまで読みやすさのためで、内容を盛るためではありません。

callout・checklist・table・figureを整える

前回の記事では、リード直後に「この記事のポイント」の囲みボックスを置き、コツのセクションに3点のチェックリスト、注意セクションには「必ず守ること」のローズの囲みを入れました。図解は3点。読者が「ここは読んで欲しい」と思う場所に印を付けるイメージです。装飾は1記事に4〜6個くらいが、私の場合の落ち着きどころでした。

表記ゆれと改行を確認する

装飾と並行して、表記ゆれと改行も整えます。「あなた」と「皆さん」が混ざっていないか、強調が連続していないか、見出しが途中で不自然に改行されていないか。細かい作業ですが、ここを丁寧にやるかどうかで、読みやすさが大きく変わります。

公開前のチェックリスト

  • 禁止表現(「絶対」「誰でも」「No.1」など)が残っていないか
  • 機密情報・顧客情報・社員情報が紛れていないか
  • 内部リンクが切れていないか/予定どおり入っているか
  • 事実関係(料金・スペック・固有名詞)が公式情報と合っているか
  • 公開ステータスを「公開」に変える操作を、私自身がやる

このチェックリストは、毎記事で同じものを使い回しています。順番が決まっていると、抜け漏れに気づきやすくなります。

5ステップ全体でかかった時間と人間の作業比率

記事1本にかかる時間の内訳を3本の横棒で示した抽象図。AI作業より人間が考える時間の方が長い
時間配分のイメージ。AIの作業時間より、人間が判断する時間の方が長くなる

5ステップ全体で、私の場合は記事1本に半日〜1日くらいかかります。これは私の運用での体感で、記事の長さ、確認量、画像や装飾の有無、テーマの難易度で変わります。これだけ聞くと「AIを使っても早くないのでは」と感じるかもしれません。ただ、内訳を見ると見え方が変わります。

AIの作業時間より、人間の判断時間が長い

AIが手を動かしている時間は、合計しても全体の3〜4割ほどです。設計役が構成案を作る数分、作業役が初稿を書く数分、レビューを返す数分、修正を反映する数分。AIの作業時間そのものは、思ったよりずっと短いのです。残りの大半は、人間が考えている時間です。Step1で「何を伝えるか」を決め、Step3のレビュー結果を「採るか採らないか」判断し、Step4の修正を「ここで終わらせる」と決め、Step5で「この装飾でよい」と納得する。判断の積み重ねが、記事の質を決めています。

速さよりブレが減る効果が大きい

AIを使う効果として、私が一番大きいと感じているのは速さではなく、「同じ品質を安定して出せる」ことです。設計→本文→レビュー→修正→装飾の順番が決まっていれば、その日の気分や疲れに左右されにくくなります。1本目と10本目で品質がぶれないことが、続けるうえで一番ありがたい効果でした。

ブログ以外への応用|議事録・メール・社内資料

5ステップは、ブログ記事専用の手順ではありません。業務文書全般に、同じ順番で使えます。私が普段やっている3つの応用例を、軽く紹介します。

議事録の要点整理

会議の文字起こしを、そのまま社内共有するわけにはいきません。Step1で「誰向けの議事録か(経営層/現場)」を決め、Step2で要点を抜く下書きを作り、Step3で抜け漏れを確認し、Step4で言い回しを整え、Step5で見出しを付ける。「意思決定された事項」「保留になった事項」「次の宿題」の3つに分けると、読まれる議事録になります。

お知らせ文や社外メール

取引先への定型的なお知らせも、5ステップで作れます。Step1で「読み手・目的・入れる情報・避ける表現」を決め、Step2で本文の下書き、Step3でトーンの点検、Step4で言い回し調整、Step5で署名や送信前確認。本物の取引先名や連絡先は、Step1の段階では伏せて渡し、最終的に人間が書き加えます。機密に関わる情報をAIに渡さないという一線は、ここでも崩しません。

社内研修資料のたたき台

新人向けの研修資料も、5ステップが使えます。Step1で「対象者の知識レベル」「研修の目的」「外せない項目」を整理し、Step2で章立てに沿った下書き、Step3で重要観点の抜け、Step4で例の追加、Step5でスライド向けの体裁。講師が話す前提のテキストか、自学用かで装飾の量を変えます。

5ステップを真似するときの注意点

最後に、5ステップを自分の業務で試すときに気をつけてほしいことを、3つだけまとめます。AIを使う上で、ここを外すと一気に危なくなる部分です。

必ず守ること
  • 顧客情報・社員情報・取引先情報・未公開の社内情報・契約金額は入れない
  • APIキー・パスワード・トークンは入れない
  • AIの出力をそのまま社外に出さず、必ず人が確認する
  • 公開・課金・外部配信などの本番操作は、人間がGOを出してから行う

機密情報を入れない

5ステップが回るようになると、「便利だから何でも渡したくなる」気持ちが出てきます。そこで踏みとどまるのが、一番大事な約束ごとです。名前・契約・金額・パスワードは伏せたまま渡す。具体例が必要なら、ダミーや「○○様」「△△社」で置き換えてから相談します。情報の扱いに迷ったら、入れないほうを選びます。

AIは間違える前提を崩さない

5ステップでレビューを挟んでいても、AIが事実を取り違えることはあります。料金・仕様・固有名詞・年号・法律は、必ず公式情報と突き合わせてから公開します。「2人で見ているから大丈夫」と思った瞬間が、一番危ないと感じています。

料金や仕様は変わる

AIサービスの料金・プラン名・使える量は、頻繁に変わります。記事に書いた時点で正しくても、数か月後には変わっている可能性があります。本記事の内容も2026年6月時点の話として読んでください。最新は各サービスの公式ページで必ず確認をお願いします。

まとめ|AI活用は「考え方」より「順番」で定着する

この5ステップの前提になる「AIを設計役・作業役・確認役に分ける考え方」は、前回の記事で詳しく整理しています。あわせて読むと、なぜ順番が大事になるのかが立体的に見えてきます。

5ステップを長く書いてきましたが、結論はとてもシンプルです。順番を決めれば、自分の業務でも1本まわせる。前回の記事で「考え方」を伝えましたが、現場で続くのは考え方よりも順番のほうでした。順番が体に入れば、その日の気分に左右されずにAIを使えます。

最初から記事1本に挑む必要はありません。議事録の要点抽出、お知らせ文の下書き、定型メールのたたき台など、影響範囲の小さい仕事から試してみてください。設計→本文→レビュー→修正→装飾。この順番で1日1本まわせるようになると、AI活用は単発の質問ではなく、仕事の仕組みに変わります。

最後にもう一度だけ。AIは間違えます。仕様や料金、提供プランも変わります。最新の情報は公式で確認し、公開や課金に関わる操作は人間がGOを出してから行ってください。この前提さえ守れば、5ステップは小さな業務から大きな業務まで、同じ形で使えます。

次の記事では、設計役と作業役で「同じ仕事をどう違うふうにこなすのか」、Claude CodeとCodexの使い分けをもう一段深く見ていく予定です。優劣の比較ではなく、それぞれの得意な仕事のかたちを、実例で並べていきます。

次に読む(準備中)

Claude CodeとCodexの使い分け|得意な仕事のかたちを並べる

設計役と作業役の特徴を、同じ業務で並べて比較します。優劣ではなく「向いている仕事」の視点で整理する記事です。公開までもう少しお待ちください。

AM

非エンジニアの経営者。Codex × Claude Code × ChatGPT を"部下"として使い倒し、現場で起きたことをそのまま記録しています。

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