非エンジニアのAI実務術 2026年7月5日 · 読了 12分

自分の店の紹介文が書けない|事実だけで作る紹介文をAIと整える【ホームページ・地図サービス】

お店の紹介文を、誇大な言葉を使わず確認できる事実だけでAIと作る方法。地図サービス・ホームページ・SNS用の書き分け、強みをAIの質問で聞き出すコツ、媒体別に使い回せる型まで完成プロンプトつき。裏付けの確認は店が行います。

自分の店の紹介文が書けない|事実だけで作る紹介文をAIと整える【ホームページ・地図サービス】

ホームページの「当店について」、地図サービスの紹介欄、SNSのプロフィール。他人の店の紹介ならすらすら書けそうなのに、自分の店の紹介文だけは、何年も空欄か、開店時に書いたきり——そんな方は多いはずです。

書けない理由ははっきりしています。自分で自分を褒めるのは照れくさい。近すぎて何が特徴か選べない。がんばって書くと今度は広告っぽく盛れてしまう。

解決はシンプルです。紹介文を自慢ではなく「初めての人への案内」と捉え直し、確認できる事実だけで組むこと。事実の整理と並べ替えはAIに任せ、事実の裏付けと誇大チェックは店が担います。「No.1」「最高」「絶対」は使いません。

お店の紹介文を事実だけでAIと整える図

「こだわりの逸品」では、何も伝わらない

紹介文でよく見る言葉を並べてみます。「こだわりの」「厳選した」「心を込めて」「アットホームな」。どれも噓ではないのでしょうが、読んだ人の頭に何も残りません。どの店にも貼れる言葉だからです。

一方、「豆は当日の朝に焙煎」「座席は12席」「創業32年」は、その店にしか書けません。初めての人が知りたいのは、褒め言葉ではなく、行くかどうかを決められる事実です。

自分の店の紹介文がいちばん書けない理由を示す図
マナブ
AIに「魅力的な紹介文を書いて」と頼めば、いい感じに盛ってくれそうですけど、だめですか?
考えるマナブ
説明するラボ博士
ラボ博士
「魅力的に」と頼むと、AIは根拠のない「地域で愛される名店」「絶品」を平気で書きます。紹介文は店の看板として何年も残る文章です。裏付けのない言葉は、来た人の期待とのズレになって返ってきます。渡すのは事実、頼むのは並べ替え。これが安全で、結局いちばん伝わります。

扱うのは店の紹介文。誇大表現は最初から禁止する

この記事で扱う:ホームページ・地図サービス・SNSプロフィール・パンフレットに載せる、お店・事業所の紹介文。
この記事で扱わない:効果や仕上がりを約束する文章(施術・健康・美容の効果表現は業法に触れるおそれがあるため、業界のルールと専門家に従います)。他店との比較・順位づけも書きません。

受賞歴・メディア掲載・数字の実績は、事実確認できるものだけを、年月とセットで書きます。「たぶんそうだった」は書きません。

基本は4段階:事実、下書き、直す、確認

店の基本情報を箇条書きで渡すと、AIが「初めての人が知りたい順」に並べ替えます。誇大な言葉が混ざれば事実に置き換えさせ、最後に裏付けと数字を店で確認し、店主の一言を自分で足します。

店の事実を渡し読み手目線に並べ替え誇大を消して店で確認する紹介文づくりの流れ図

ケース1:基本の紹介文(地図サービス・ホームページ)

例はすべて創作です。実在の店ではありません。

1. コピペ用完成プロンプト
あなたは、小さなお店の紹介文を整える下書き係です。次の事実だけを使って、初めての人向けの紹介文を作ってください。

【大前提】
- 渡した事実だけを使う。褒め言葉・評判・実績を勝手に足さない
- 「No.1」「最高」「絶対」「名店」「絶品」などの誇大な言葉を使わない
- 効果・仕上がりの約束を書かない
- 他店との比較をしない
- 不足している情報があれば[店で確認:〇〇]と残す

【店の事実】
- 業種:[例:自家焙煎の喫茶店]
- 場所・行き方:[例:○○駅から徒歩5分]
- 営業時間・定休日:[例:8時〜18時・水曜休]
- 創業・席数など:[例:創業32年・座席12席]
- やっていること:[例:豆は当日の朝に店内で焙煎]

【出力形式】
1. 地図サービス用(150字前後)
2. ホームページ用(300字前後)
3. [店で確認]の一覧

【文体】
- 落ち着いた、押しつけない調子
2. AIの返し(例)
【地図サービス用】
○○駅から徒歩5分の自家焙煎喫茶店です。創業32年、座席は12席。豆はその日の朝に店内で焙煎しています。営業は8時〜18時、水曜定休。

【ホームページ用】
当店は、○○駅から徒歩5分の場所で32年続く喫茶店です。
コーヒー豆は、その日に使う分だけを毎朝店内で焙煎しています。
座席は12席。営業時間は8時から18時、水曜日がお休みです。
[店で確認:駐車場の有無、支払い方法]
3. 直す追加指示
地図サービス用の1文目を、検索で見つけた人が最初に知りたいこと(何の店か+場所)だけに絞ってください。「当店は」で始まる文が続かないよう、主語を変化させてください。
4. Before / After

Before:どの店にも貼れる文

こだわりの厳選豆を使用した、アットホームな雰囲気の喫茶店です。心を込めた一杯をぜひご賞味ください。

After:この店にしか書けない文

○○駅から徒歩5分の自家焙煎喫茶店。創業32年、座席12席。
豆はその日の朝に、店内で焙煎しています。
営業8時〜18時/水曜休。
店の人が確認する箇所:数字(創業年・席数・時間)が正しいか、[店で確認]の項目、そして情報が変わったときに更新する係を決めることです。紹介文の古い営業時間は、初来店の人を一番がっかりさせます。

ケース2:「選ばれる理由」を事実で書く

ここが本編の中心です。「うちの強みって何だろう」で手が止まる方は、AIに聞き出させてから、事実に翻訳します。

1. コピペ用完成プロンプト
あなたは、小さなお店の紹介文づくりを手伝う聞き取り係です。私の店の「特徴になり得る事実」を引き出すため、質問をしてください。

【大前提】
- 「強みは何ですか」と抽象的に聞かない。具体的な行動・数字・場面を聞く
- 質問は5個ずつ。私が答えたら、答えを「紹介文に使える事実」の形に言い換えて見せる
- 私の答えに無いことを足さない。誇大な言葉に変換しない

【店の概要】
- 業種:[例:クリーニング店]
- 客層:[例:近所の常連が中心]

【質問の観点の例】
- 毎日必ずやっている手間は?
- お客様によく驚かれる(喜ばれる)ことは?
- 続けて何年になる仕事は?
- 断っていること・やらないと決めていることは?
2. AIの返し(例)
質問です。

1. 開店前に毎日やっている作業はありますか?
2. お客様に「え、そこまでやるの」と言われたことは?
3. この道は何年目ですか?
4. あえて断っている注文・やらない加工はありますか?
5. 常連さんは何をきっかけに通い始めた方が多いですか?

(回答後の言い換え例)
回答「ボタンが取れかけてたら勝手に付け直しちゃう」
→ 紹介文の事実:「ほつれたボタンは、お直しして仕上げます(無料)」
 [店で確認:無料と書いてよいか]

3-A:抽象語の翻訳

私が「丁寧にやってます」と答えた部分を、そのまま「丁寧」と書かず、「具体的に何をしているか」を追加で質問して、行動の事実に置き換えてください。

3-B:誇大の最終チェック

完成した紹介文から「No.1」「最高」「絶対」「どこよりも」「必ず」を探して、あれば削除か事実への置き換えを提案してください。比較の表現(他店より〜)も同様にしてください。

3-C:裏付けの棚卸し

紹介文に入れた事実のうち、「数字」「年月」「実績」に当たるものを一覧にしてください。私がひとつずつ裏付けを確認します。確認できなかったものは削ります。
4. Before / After

Before:抽象的な自慢

当店は地域で愛され続けるクリーニング店です。真心こめた丁寧な仕上がりには自信があります!

After:行動の事実

この道38年の職人が、1点ずつ検品しながら仕上げるクリーニング店です。
ほつれたボタンは、お直しして仕上げます。
シミは素材を見て、できること・できないことを先にお伝えします。
店の人が守る箇所:「38年」「無料」など数字と約束の裏付けです。事実確認できないものは、どれだけ良い文でも削ります。紹介文の信用は、一つの盛った言葉で全部崩れます。
指し示すラボ博士
ラボ博士
「やらないと決めていること」も立派な特徴です。「即日仕上げはやりません。その分、1点ずつ検品します」は、誇大な自慢より、ずっと信頼されます。
マナブ
断っていることを書くと、かえって誠実に見えるんですね。
気づくマナブ
紹介文づくりでAIに任せる整理と人が守る事実の裏付けや誇大禁止を分ける図

ケース3:紹介文を「3空欄の型」で媒体別に使い回す

紹介文は1本書けば終わりではなく、媒体ごとに長さと順番を変えて使い回します。

1. コピペ用完成プロンプト
あなたは、お店の紹介文の型を作る下書き係です。次の3空欄を埋めれば、媒体別の紹介文が作れるテンプレートを作ってください。

【大前提】
- 空欄以外の定型句を増やさない
- 誇大な言葉・比較・効果の約束を書く欄を作らない
- 各媒体の長さ:地図サービス150字/SNSプロフィール80字/ホームページ300字

【3つの空欄】
1. [基本の事実:何の店・場所・営業時間]
2. [特徴の事実:行動・数字・年月で2〜3個]
3. [店主の一言:自分で書く]

【形式】
- 3空欄
- 媒体別の組み立て方(どの空欄をどの順で使うか)
- 公開前チェック
2. AIの返し(例)
【3空欄】
1. 基本の事実:[何の店/場所/営業時間・定休日]
2. 特徴の事実:[行動・数字・年月で2〜3個]
3. 店主の一言:[自分で書く]

【媒体別の組み立て】
- 地図サービス:1→2の1個目(150字)
- SNSプロフィール:1の要約のみ(80字)
- ホームページ:1→2全部→3(300字)

公開前チェック:
□ 数字・年月の裏付けを確認したか
□ 誇大な言葉・比較が無いか
□ 営業時間は今も正しいか
□ 更新した日をメモしたか
3. 直す追加指示
求人(aml-019の募集文)にも流用できるよう、「一緒に働く人向け」の組み立て(2の事実+職場の様子)も1パターン足してください。
4. Before / After
(媒体ごとにバラバラの紹介文。地図の営業時間は3年前のまま)
3空欄を1か所直せば、全媒体の紹介文が同じ事実で揃う。
営業時間の変更も、チェックリストで更新漏れなし。

紹介文は「書く」より「更新し続ける」方が難しい文書です。型と更新日メモをセットにしておくと、古い情報の事故が防げます。

誇大で抽象的な紹介文から確認できる事実の紹介文へ変わるBeforeAfter図

安全に使うための4つの境界

誇大を書かせない:「No.1」「最高」「絶対」「名店」は指示で禁止し、出てきたら事実に置き換えます。
裏付けの無い実績を書かない:受賞・掲載・数字は、確認できたものだけを年月つきで。あいまいな記憶では書きません。
効果を約束しない:仕上がり・効果・成果の断定は、業種のルール(美容・健康関連は特に)に従い、書きません。
更新は店の仕事:営業時間・定休日・価格の変更は、変わった日に店が直します。古い紹介文は、無いより信用を下げます。

紹介文は、店が寝ている間も働き続ける営業係です。盛った言葉ではなく、確認できる事実で語らせるほど、長く効きます。

マナブ
事実を渡す、誇大を消す、裏付けを確認する。紹介文って、作文じゃなくて棚卸しなんですね。
うなずくマナブ
ほほえむラボ博士
ラボ博士
まずは地図サービスの紹介欄から。空欄のままの方も、3年前のままの方も、ケース1のプロンプトで今夜のうちに埋められますよ。
未確認の実績を書かず誇大を足させず地図サービスの紹介欄から直す次の一歩とシリーズ位置の図

まとめ:自慢は書けなくても、事実は書ける

自分の店を褒める文章は、誰でも照れます。でも、創業年と席数と毎朝やっていることを書くのに、照れは要りません。紹介文を「自慢」から「案内」に捉え直し、事実の整理をAIに任せれば、何年も空欄だった紹介欄は今日埋まります。

誇大は書かない。裏付けの無い実績は書かない。効果は約束しない。変わったら更新する。この線を守った紹介文が、いちばん長く店の役に立ちます。

次の一歩:AIへの指示の組み立て方を身につけたい方は、「AIへの指示を背景・ゴール・形式・制約の4要素で作る方法」へ進んでください。業種別・文書別シリーズの続きは noteマガジン で追えます。
AM

非エンジニアの経営者。Codex × Claude Code × ChatGPT を"部下"として使い倒し、現場で起きたことをそのまま記録しています。

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