非エンジニアのAI実務術 2026年7月12日 · 読了 8分

気づけば23時|終わらない夜の事務仕事をAIと片づける【一日の段取り】

夜の書きものが終わらないのは書くのが遅いからではなく、白紙から始める仕事が多すぎるから。朝5分の宣言、すき間の仕込み、夜は仕上げ90分——AIを下書き係にする一日の段取りで、23時退勤から抜け出した実録です。

気づけば23時|終わらない夜の事務仕事をAIと片づける【一日の段取り】

通夜の司会を終えて事務所に戻ると、時計は21時半でした。明日のシフト調整の連絡、月次報告の下書き、研修資料の手直し。ひとつずつ片づけていくうちに、気づけば23時。冷めたお茶を飲みながら「この時間は一生続くのか」と思った、あの夜の話から始めます。

先に結論です。「ゼロから書く」工程をAIの下書きに置き換える段取りに変えたら、夜の事務時間はおよそ半分になりました。頑張って速く書くのでも、夜更かしに慣れるのでもありません。変えたのは一日の段取りだけです。

なぜ書きもの仕事は夜に残るのか

日中の私は、現場と電話と接客で机に座れません。式の進行、ご遺族の対応、業者さんとのやり取り。「まとまって考える仕事」は全部、閉店後に押し出されます。

これは葬祭業だけの話ではないはずです。飲食店なら閉店後のレジ締めのあと。介護なら夜勤の申し送りの前。小売なら店を閉めてバックヤードで。日中に体を使う仕事の人ほど、書きものは夜に残ります。あなたの「23時」は、何時でしょうか。

そして夜の書きものがつらい本当の理由は、遅い時間そのものではありません。白紙から始める仕事が多すぎることです。疲れた頭で最初の一文をひねり出す。それを1本ごとに繰り返す。時間がかかるのは、書くのが遅いからではありませんでした。

転換——夜を「書く時間」から「直す時間」に変える

変えたのは、この一点です。「ゼロから書く」工程そのものをAIに渡す。AIは清書係ではなく、下書き係です。

下書きさえあれば、人間の仕事は「直す」に変わります。直すのは、書くよりずっと速い。事実の間違いを正し、言い回しを自分の言葉にして、送る。疲れた夜の頭でも、これならできます。

従来の23時退勤の一日と、AIと組んで21時台に帰れる一日を比べるタイムライン図

AIと組む一日の段取り——すき間に仕込み、夜に仕上げる

段取りは3ステップです。

朝5分の宣言、すき間の仕込み、夜の仕上げ90分でつなぐ3ステップの図

朝5分。今日の書きものを3つ書き出して、AIに宣言します。「今日はシフト調整の連絡と、月次報告と、研修案内を書く」。これだけで、AIは材料を受け取る準備ができます。

日中のすき間。移動や待ち時間に、スマホで材料を渡します。きれいな文章はいりません。「シフト、15日の夜をAさんからBさんへ。理由は家庭の事情とだけ。お礼も入れる」。この走り書きで十分です。

夜は仕上げ90分。事務所に戻ると、下書きがたまっています。シフト調整の連絡文を例に、実際の往復を見てください。日中に渡した走り書きはこれです。

シフト、15日夜をAさんからBさんへ。理由は家庭の事情とだけ。引き受けてくれたお礼も入れる。

夜に開くと、下書きができています。ただ、最初の1本はたいてい、少し他人行儀です。

Bさん
お疲れさまです。突然のご連絡失礼いたします。
15日(水)夜のシフトにつきまして、ご相談がございます。(以下、かしこまった依頼文が続く)

ここで書き直しません。返すのは一言です。

同僚に送るLINEの温度で。用件と、断ってもいい一文は残して。
Bさん、お疲れさま。急にごめんなさい。
15日(水)の夜、Aさんが家庭の事情で難しくなって、もし可能なら代わりをお願いできないかと思って連絡しました。
難しければ遠慮なく言ってください。引き受けてもらえたら、来週の希望は優先して調整します。

直しにかかったのは一言だけ。この「不満を一言に翻訳して返す」やり方は「AIの答えが「いまいち」な時に返す言葉10選」で10個まとめています。

マナブ
朝の「宣言」って、本当に要るんですか? 材料だけ渡せば良さそうな気もします。
考えるマナブ
説明するラボ博士
ラボ博士
宣言しておくと、日中の走り書きが「どの仕事の材料か」で迷子になりません。夜に開いたとき、下書きが仕事ごとに揃っている。それに、朝に3つ書き出すと「今日はこれ以上増やさない」という上限にもなります。5分の投資で夜が軽くなるんです。

この日の私は、21時台に事務所の電気を消せました。正直に書くと、毎回ではありません。現場が荒れた日は無理です。それでも「白紙から始める夜」は消えて、持ち越しの山は目に見えて減りました。

AIに任せること、人が守ること

夜の書きものは、従業員や取引先の情報に触れる仕事でもあります。線引きははっきりさせておきます。

夜の事務仕事でAIに任せる下書きや分類と、人が守る事実確認・実名・送信ボタンを分ける対比図
実名と個人の事情を入れない:従業員の体調・家庭・評価の中身はAIに入れません。役職やイニシャルに置き換えて渡します。
機密の数字は伏せる:顧客・取引先の名前や契約金額は伏せ字にしてから貼ります。
数字と出来事を補わせない:報告書の空欄をAIに埋めさせません。「足りない情報は【要確認】と書いて残して」と指示し、埋めるのは人です。
送信・提出は人:連絡文も報告書も、読み直してから自分でボタンを押します。

今夜から使える完成プロンプト3ケース

( )の指示どおり、下に自分のメモを貼るだけで使えます。

① やることの棚卸しと段取り表

あなたは段取り上手な事務長です。
以下の今日のやること一覧を「AIに下書きさせるもの/自分で判断するもの/明日に回すもの」に仕分けし、夜の作業を90分で終えられる順番に並べてください。
(この下にやること一覧を貼る)

② 走り書きメモから下書き一括

以下は今日すき間時間に打った走り書きメモです。
ここから①関係者への連絡文②上司への報告メモの下書きを作ってください。
足りない情報は勝手に補わず【要確認】と書いて残してください。
(この下にメモを貼る)

③ 明日の自分への引き継ぎメモ

今夜やり残した仕事を貼ります。
明日の朝5分で状況を思い出せるように「済んだこと/途中のこと/明日最初にやること」の3つに分け、それぞれ一言ずつの引き継ぎメモに整理してください。
(この下にやり残しを貼る)

行動指針は2つだけです。

①明日の朝、今日の書きものを3つ書き出してAIに宣言する:5分ですみます。段取りはそこから変わり始めます。
②夜、最初の1本だけAIの下書きから始めてみる:全部変えなくていい。1本で違いは分かります。
文書ごとの書き方は、こちらでまとめています。
スタッフへの連絡文は「スタッフへの連絡文をAIと書く」、月次報告書は「月次報告書をAIと書く」、最初の指示の作り方は「AIへの指示を背景・ゴール・形式・制約の4要素で作る方法」へ。
※文書ごとの完成セットが欲しい方へ、業種別の「AIコピペ集」(有料note・第1弾は飲食店の口コミ返信)もあります。
AM

非エンジニアの経営者。Codex × Claude Code × ChatGPT を"部下"として使い倒し、現場で起きたことをそのまま記録しています。

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