非エンジニアのAI実務術 2026年7月12日 · 読了 8分

シフト表づくりが毎月ゆううつ|希望とたたき台をAIと整理する【勤務シフト表】

シフト表づくりを「白紙から悩む3時間」から「AIのたたき台を赤ペンで直す30分」に。休み希望の一覧化、条件付きたたき台、急な欠員の入れ替え案まで、勤怠システムなしで今日から試せるプロンプト3本つきです。

シフト表づくりが毎月ゆううつ|希望とたたき台をAIと整理する【勤務シフト表】

月末の事務所。ホワイトボードの予定表と、休み希望のメモと、LINEの画面を見比べながら、当直表のマスを埋めては消していました。気づけば23時。明日の準備も残っているのに、シフト表はまだ半分も埋まっていません。

先に結論です。シフト表づくりは「白紙から悩む3時間」から「AIのたたき台を赤ペンで直す30分」に変えられます。勤怠システムを入れる必要はありません。いつものExcelや紙のまま、今日から試せます。

休み希望は、紙とLINEと口頭でバラバラに届く

私は斎場の当直表を作っています。毎月のゆううつの正体は、ほどいてみると3つでした。

1つめ、希望の届き方が揃っていない。メモで置いていく人、LINEで送ってくる人、すれ違いざまに口頭で言う人。まず情報を集めて揃えるだけでひと仕事です。2つめ、頭の中の条件が多い。「当直は連続させない」「回数は公平に」「あの二人は組ませる」。書かれていないルールを、自分の頭だけで同時に守ろうとする。3つめ、その結果としての書いては消すの繰り返し。1か所直すと別の場所が崩れて、時間が溶けていきます。

発想の転換——AIに完成品ではなく「たたき台」を作らせる

最初に言い切っておきます。シフトのAIへの丸投げは無理です。シフトは人間関係と個々の事情の塊で、そこの判断はAIにできません。

ただし、ゆううつの正体のうち2つ——「バラバラな希望の一覧化」と「条件どおりの下書き」は、AIの得意分野そのものです。つまり任せるのは完成品ではなく、たたき台まで。仕上げの赤ペンと決定は人。この分担にした途端、月末の夜が変わりました。

バラバラの休み希望をAIで一覧化し、たたき台を作って、人が赤ペンで仕上げる4ステップの図

実例——休み希望のメモが表になるまでの往復

実際のやり取りを再現します。まず、集まった希望をそのまま箇条書きにして渡します(名前はA・B・Cに置き換えます。理由は後述)。

スタッフから届いた休み希望(下に貼り付け)を、名前・日付・内容の3列の一覧表に整理してください。同じ人の重複や、日付の矛盾があれば指摘してください。名前はA・B・Cなどの記号にしてあります。

・Aさん 15日終日不可、22日は午後のみ可
・B 20〜22日 旅行で不可
・Cさん「第3週どこかで連休ほしい」と口頭 …

数十秒で3列の表になり、「Aさんの22日が2回出てきて内容が違います」のような矛盾も指摘してくれます。この時点で、集めて揃えるひと仕事が消えました。

次に、条件を渡してたたき台です。正直に書くと、私の1回目は失敗でした。返ってきた表は、Aさんに当直が4回、Fさんは0回。使いものになりません。ただ、原因はAIではなく私の指示にありました。「当直は連続させない」「回数は均等に」という頭の中の条件を、書いていなかったのです。

1回目のたたき台は当直が偏って使えず、条件を追加した2回目で形になった往復の図

作り直しはさせません。条件を2行足して返すだけです。

次の条件で○月の勤務シフト表のたたき台を作ってください。
スタッフはA〜Fの6人、1日あたり日勤3人・当直1人。
当直は2日連続させない。当直回数はなるべく均等に。
各自の休み希望は下の一覧の通り。
条件を満たせない日は空欄にして「要調整」と書いてください。

2回目で形になりました。えらいのは、無理な日を無理に埋めず「要調整」と正直に返してくるところです。その空欄こそ、人が判断すべき場所を教えてくれています。この「不満を一言にして返す」直し方は「AIの答えが「いまいち」な時に返す言葉10選」でまとめています。

AIに任せること、人が守ること【勤務シフトの線引き】

シフトは人の生活に直結する文書です。線引きは、他のどの文書より慎重に引いています。

勤務シフトでAIに任せる一覧化・たたき台と、人が守る最終決定・法令確認・配慮を分ける対比図
実名・連絡先を入れない:名前はA・B・Cなどの記号に置き換えてから貼り付けます。
休み希望の理由を入れない:通院や家庭の事情の中身は書きません。「終日不可」「午後のみ可」など、勤務に必要な事実だけにします。
法令とルールの確認は人:労働時間・連勤・休憩の点検をAIに任せません。たたき台の正しさは人が点検します。
決定と伝達は人:AIのたたき台をそのまま掲示・配布しません。完成の判断と本人への伝え方は人の仕事です。

記号の向こうには、それぞれの生活を持った人がいます。だからこそ、AIに渡すのは記号と事実だけ。配慮は人の側に残します。

コピペで使える完成プロンプト3ケース

①②は上で紹介したものの完成形、③は急な欠員のときの入れ替え案です。

① 休み希望メモの一覧化

スタッフから届いた休み希望(下に貼り付け)を、名前・日付・内容の3列の一覧表に整理してください。
同じ人の重複や、日付の矛盾があれば指摘してください。名前はA・B・Cなどの記号にしてあります。
(この下に希望のメモを貼る)

② 条件付きシフトたたき台

次の条件で〔○月〕の勤務シフト表のたたき台を作ってください。
スタッフは〔A〜Fの6人〕、1日あたり〔日勤3人・当直1人〕。
〔当直は2日連続させない。当直回数はなるべく均等に。〕
各自の休み希望は下の一覧の通り。
条件を満たせない日は空欄にして「要調整」と書いてください。
(この下に①で作った一覧を貼る)

③ 急な欠員の入れ替え案

このシフト表(下に貼り付け)で、Aさんが〔○日〕に急に休む場合の入れ替え案を3つ出してください。
「当直の連続禁止」と「月の当直回数の偏りを増やさない」を守り、それぞれの案の影響(誰の負担が増えるか)も一言添えてください。
(この下にシフト表を貼る)

来月の25日を変える一歩は、2つだけです。

①今月届いた休み希望を、そのまま箇条書きにしてAIに一覧化させてみる:名前を記号に変えて貼るだけ。まずここから。
②たたき台は6割の出来で良しとする:残り4割は人の目で仕上げる、と最初から決めておく。完璧なたたき台を求めると往復が増えるだけです。
社内マネジメント文書は、シリーズでまとめています。
急なシフト変更のお願い文は「急なシフト変更、頼みづらい」、スタッフへの連絡は「スタッフへの連絡文をAIと書く」、手順書づくりは「手順書・マニュアルをAIと作る」、指示の基本は「AIへの指示を背景・ゴール・形式・制約の4要素で作る方法」へ。
※文書ごとの完成セットが欲しい方へ、業種別「AIコピペ集」(有料note・第1弾は飲食店の口コミ返信)もあります。
AM

非エンジニアの経営者。Codex × Claude Code × ChatGPT を"部下"として使い倒し、現場で起きたことをそのまま記録しています。

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