閉店後、レジ締めを終えた机に、値上げのお知らせの下書きが残っている。料金と開始日は決まっているのに、理由を書けば言い訳に見え、短くすると上から目線に見えて、また文章を消してしまいます。
こうした「全お客様への言いにくいお知らせ」は、AIへ一発で完成品を求めるより、下書きを見ながら短い追加指示を返して練る方が扱いやすくなります。
ただし、AIへ渡すのは店が決定済みの事実だけです。顧客名、予約情報、施術履歴、連絡先、来店履歴は入れません。価格を決めること、お客様へ説明すること、最後の一文を書くことはオーナーが担います。

値上げのお知らせは、正しくても書きにくい
臨時休業や営業時間変更は、日時を簡潔に伝えれば形になります。ところが料金改定は、お客様に負担をお願いする通知です。原材料や運営事情を長く並べると「店側の事情ばかり」に見え、謝罪を重ねると自信のない文になり、決定事項だけを書くと冷たく見えます。
AIに任せたいのは、白紙から骨組みを作り、言葉の偏りを見つけるところです。値上げの判断や説明責任まで預けるわけではありません。



扱うのは「全お客様への一斉のお知らせ」だけ
この記事で扱わない:個別DM、個別のお詫び、指名客への連絡、販促・キャンペーン、メニューの効果や仕上がりを説明する文章。
個別文書は顧客情報を扱います。販促や効果説明は、誇大な表現をAIが補う危険があります。今回の方法へ混ぜません。「品質は絶対に落としません」など、店で決定・確認していない約束も書かせません。
基本は4段階:指示、返し、直す、店の言葉
最初に、目的、決定事項、書かないこと、出力形式を渡します。返ってきた案を読み、「感謝を先に」「言い訳を減らして」「開始日を見つけやすく」と追加します。最後にオーナーが事実を確認し、自分の言葉で一文を書きます。

ケース1:臨時休業・営業時間変更
軽いお知らせで、往復の基本を試します。例はすべて創作です。店名や実際の日時は入れず、公開前に人が差し込みます。
あなたは、美容室から全お客様へ出す一斉のお知らせ文を整える下書き係です。店で決定済みの臨時休業または営業時間変更を、短く読みやすい文章へ整理してください。 【大前提】 - 顧客名、予約情報、施術履歴、連絡先、来店履歴を入力・推測しない - 個別のお客様宛てのDM、お詫び、指名客への連絡は作らない - 販促、キャンペーン、メニューの効果・効能、仕上がりの断定を書かない - 店が決定していない価格、日程、代替対応、例外、約束を補わない - AIが扱うのは店が決定済みの事実の文章化だけ - AIの出力は下書きとし、最後は必ずオーナーが事実を確認し、自分の言葉で一文を書く 【文書の種類】 - [臨時休業/営業時間変更] 【店で決定済みの内容】 - 対象日:[日付] - 変更前:[営業時間] - 変更後:[営業時間/休業] - 公開する理由:[店が伝えると決めた一般的な説明/記載しない] - 予約への案内:[店で決定済みの案内/記載しない] - 掲載先:[店頭/SNS/予約サイト] 【目的】 - 変更日と内容を最初に見つけやすくする - お詫びを重ねすぎない - 未決定の対応は書かない 【出力形式】 1. 件名 2. あいさつ 3. 変更日・変更内容 4. 必要な案内 5. [オーナーが書く最後の一文] 6. 公開前チェック 【文体】 - 落ち着いた敬語 - 180〜240字程度 - 1文を短くする
件名:営業時間変更のお知らせ いつも当店をご利用いただき、ありがとうございます。 [対象日] は、営業時間を [変更後の時間] に変更いたします。 ご来店を予定されているお客様には、ご不便をおかけいたします。 ご予約・ご来店の際は、営業時間をご確認ください。 [オーナーが書く最後の一文]3. 直す追加指示
変更後の営業時間を最初の2行で見つけられるようにしてください。「ご不便をおかけします」は1回だけにし、予約については入力した決定事項だけを書いてください。最後の一文は空欄のまま残してください。4. Before / After
Before:大切な変更が後ろにある文
誠に勝手ながら、諸般の事情により営業時間を変更させていただくことになりました。ご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解ください。
After:日時と行動が先に見える文
件名:[対象日] 営業時間変更のお知らせ いつもご来店いただき、ありがとうございます。 [対象日] は、[変更後の営業時間] で営業いたします。 ご予約・ご来店の前に、時間をご確認ください。 [オーナーが追記:店からの短い一文]
ケース2:値上げ・料金改定のお知らせ
ここが本編の中心です。料金改定文は、言い訳がましい・卑屈・上から目線の3方向へ転びやすいため、一度の出力で終えず、何が違うかを短く返します。
AIを開く前に、改定日、対象メニュー、改定内容、店が公開すると決めた理由、掲載先を確定します。決まっていない値段や例外をAIに考えさせません。
あなたは、美容室から全お客様へ出す料金改定のお知らせ文を整える下書き係です。店で決定済みの事実だけを使い、言い訳がましくも、卑屈にも、上から目線にもならない文章の土台を作ってください。 【大前提】 - 顧客名、予約情報、施術履歴、連絡先、来店履歴を入力・推測しない - 個別のお客様宛てのDM、お詫び、指名客への連絡は作らない - 販促、キャンペーン、メニューの効果・効能、仕上がりの断定を書かない - 店が決定していない価格、日程、対象、例外、代替対応、約束を補わない - 「品質は絶対に落としません」など未決定・未確認の約束を書かない - AIが扱うのは店が決定済みの事実の文章化だけ - AIの出力は下書きとし、最後は必ずオーナーが事実を確認し、自分の言葉で一文を書く 【店で決定済みの内容】 - 改定日:[日付] - 対象:[メニュー名または料金区分。個人を特定しない] - 改定前:[金額/公開文では一覧参照] - 改定後:[金額/公開文では一覧参照] - 公開する理由:[店が説明すると決めた事実を1つ] - 掲載先:[店頭/SNS/予約サイト] - 予約済みのお客様への扱い:[決定済みなら記入/記載しない] - 問い合わせ方法:[公開済みの方法] 【文章の目的】 - 日頃の感謝を先に置く - 料金改定の事実と開始日を曖昧にしない - 理由を長く羅列しない - 必要以上に謝らない - お客様へ判断や責任を押しつけない - 最後に [オーナーが自分で書く一文] の空欄を残す 【出力形式】 1. 件名 2. 感謝 3. 改定日と対象 4. 公開する理由を1文 5. 詳細の確認方法 6. [オーナーが自分で書く一文] 7. 公開前チェック 【文体】 - まっすぐで落ち着いた敬語 - 260〜360字程度 - 「諸般の事情」「苦渋の決断」「ご理解賜りますよう」を重ねない
件名:料金改定のお知らせ いつも当店をご利用いただき、誠にありがとうございます。 昨今の原材料費や光熱費の高騰、人件費を含む運営費の増加など、さまざまな事情を受け、誠に心苦しい限りではございますが、[改定日] より一部メニューの料金を改定させていただくこととなりました。 お客様には多大なるご負担をおかけすることを深くお詫び申し上げます。何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。 詳細:[確認方法] [オーナーが自分で書く一文]
3-A:言い訳がましさを消す
理由の羅列をやめ、入力した「店が公開すると決めた理由」だけを1文で書いてください。感謝を最初に置き、改定日と対象を次に明記してください。「さまざまな事情」は使わないでください。
3-B:卑屈さを消す
謝罪は重ねず、「深くお詫び」「多大なるご負担」「心苦しい限り」を削ってください。料金改定を隠さず、落ち着いて知らせる文にしてください。お客様へ許しを求め続ける結びにはしないでください。
3-C:上から目線を消す
「ご理解ください」「今後とも変わらぬご愛顧を」を自動的に入れないでください。お客様が確認できる場所を明示し、最後はオーナーが自分の言葉を書く空欄で止めてください。未決定の品質保証やサービス向上の約束は追加しないでください。4. Before / After
Before:事情・謝罪・お願いが重なる文
原材料費、光熱費、人件費などの高騰が続き、当店でもあらゆる努力を重ねてまいりましたが、苦渋の決断として料金を改定いたします。お客様には多大なるご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます。何卒ご理解いただき、今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
After:感謝、事実、理由を分けた文
件名:料金改定のお知らせ いつも当店へ足を運んでいただき、ありがとうございます。 [改定日] より、[対象メニュー] の料金を改定いたします。 新しい料金は [店頭/予約サイトなど決定済みの確認場所] でご確認いただけます。 今回の改定理由は、[店が公開すると決めた事実を1文] です。 [オーナーが自分で書く最後の一文] お問い合わせ:[公開済みの方法]



ケース3:よく使うお知らせを「3空欄の型」にする
往復して整った文章は、個別情報入りの完成文ではなく、3つの空欄を残した型として保存します。「感謝」「決まったこと」「店からの一言」です。
あなたは、美容室から全お客様へ出す一斉のお知らせ文を整える下書き係です。次の3空欄だけを店側が差し替えて使える短いテンプレートを作ってください。 【大前提】 - 顧客名、予約情報、施術履歴、連絡先、来店履歴を入力・推測しない - 個別のお客様宛てのDM、お詫び、指名客への連絡は作らない - 販促、キャンペーン、メニューの効果・効能、仕上がりの断定を書かない - 店が決定していない価格、日程、ルール、例外、効果、約束を補わない - AIが扱うのは店が決定済みの事実の文章化だけ - AIの出力は下書きとし、最後は必ずオーナーが事実を確認し、自分の言葉で一文を書く 【3つの空欄】 1. [感謝:オーナーが記入] 2. [決まったこと:価格・日程・ルールを記入] 3. [店からの一言:オーナーが自分で記入] 【形式】 - 件名 - 感謝 - 決まったことを3行以内 - 店からの一言 - 問い合わせ方法 - 公開前チェック
件名:[何のお知らせか] [感謝:オーナーが記入] [店で決定済みの価格・日程・ルール] [店からの一言:オーナーが記入] お問い合わせ:[公開済みの方法]3. 直す追加指示
空欄以外の定型句を増やさず、臨時休業・営業時間変更・料金改定に使える短い型にしてください。個別顧客の情報を書く欄は作らないでください。公開前チェックに「決定済みか」「顧客情報がないか」「未決定の約束がないか」「オーナーが読んだか」を入れてください。4. Before / After
平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。諸般の事情により変更いたしますので、ご理解ください。
件名:[何のお知らせか] [お客様への感謝] [店で決定済みの内容] [オーナーが書く店からの一言] お問い合わせ:[公開済みの方法]
保存するのは顧客情報を含まない型だけです。毎回、決定事項と最後の一文を人が確認します。

安全に使うための4つの境界
個別文書に使わない:個別DM、お詫び、指名客への連絡は対象外です。
効果や約束を作らせない:販促、キャンペーン、メニューの効果・効能、仕上がりの断定、未決定の品質保証は扱いません。
最後は人が決める:AIの出力は必ずオーナーが確認し、価格の決定、お客様への説明、最後の一文を自分で担います。
AIはお知らせ文の下書き係です。店の事情を引き受け、料金を決め、お客様との関係に責任を持つことはできません。だからこそ、文章の骨組みを任せる範囲と、人が守る範囲を最初に分けます。



まとめ:角をなくすより、店の言葉へ練る
言いにくいお知らせでAIを使う時は、完成品を一発で求めません。店で決定済みの事実だけを渡し、返ってきた案へ「感謝を先に」「理由を1文に」「謝りすぎない」と追加します。
顧客情報は入れない。個別文書や販促文には使わない。効果や未決定の約束は書かせない。最後は必ずオーナーが確認し、自分の言葉で一文を書く。この境界を守ります。
今日、臨時休業や営業時間変更のお知らせを1枚選び、ケース1のプロンプトから試してください。値上げ文なら、3方向の追加指示を一つずつ返します。



